社名や商品名など、人はその感覚で購買を左右される。
怪しくもなり、信頼性が増したりする。
有名なのは、「スリムどかん」
なんてことない成分なんだが、いかにも痩せそうな名前ではないか。
薬じゃないので、痩せるとは書けないが、薬事法がなくても痩せる薬とは
書かないだろう。
最近では、商品名や店名にも意識したものが多くなってきた。
8年前に私が本のカバーデザインしたときにも、マーケを意識して作った
ことがある。
タイトル:返済不要「助成金獲得マニュアル」
助成金関係の本で、当時は関連の研究者か役人もしくは士業の方々が書いたお堅い本しかなかった。
共同著者からもっと分かりやすい本を出したいと依頼を受け、
デザインしたのだ。
依頼を受け、まず私が行ったのは、本屋のはしご。
つまり、市場調査ってわけ。
そこで気が付いたのは、お堅いタイトルばかり。
よっぽど、仕事で関連しない限り手に取らないタイトルばかりであった。
タイトル&デザインを入稿すると、今までと異質だったので、出版社に手直しを
された。
ま、我慢できる範囲だったのでいいとしよう。
結果、売れた。
驚くほどではなかったが、助成金と言うマイナーなテーマを扱った本としては
異例なほど売れたらしい。
本を手に取った人の感想を聞くとおおむね好評。
中身もよかったが、手にとってもらわなければ、中身は分からないのだ。
今では、もっと分かりやすくグラフィカルな本もたくさん出て、助成金と言う
テーマが身近になった気がする。
今、あの本を出してもまったく売れないだろう。
現在書店で並んでいる本はデザインはいいし、中身も分かりやすい。
タイトルもいい。
しかし、私がデザインした本は今でもポチポチと売れているらしい。
早く出したもの勝ちなのだ。